夏が近づくと、毎年わいてくるこの疑問。
「エアコンって、つけっぱなしと小まめに消すの、どっちが安いの?」
答えを先に言いますね。
ちょっとした外出なら、つけっぱなしのほうが安いことが多いです。
ただし、長く家を空けるなら、消したほうが安い。
そんな「条件つき」の答えになります。
メーカーの実験データをもとに、その分かれ目と、運転以外の節電のコツまでまとめました。
結論:短い外出なら、つけっぱなしが有利
エアコンメーカーのダイキンが、実際の部屋で検証したデータがあります。
つけっぱなしが有利になる「外出時間の目安」が、こちらです。
| 時間帯 | つけっぱなしが有利な外出時間の目安 |
|---|---|
| 日中(9〜18時ごろ) | 約35分まで |
| 夜(18〜23時ごろ) | 約18分まで |
つまり、コンビニや近所のスーパーくらいなら、つけっぱなし。
買い物や習い事で1時間以上あけるなら、消して出かける。
これが基本の使い分けです。
日中のほうが目安が長いのは、暑い時間ほど、冷やし直しの負担が大きいからなんですね。
なぜ「つけっぱなしのほうが安い」の?
エアコンがいちばん電気を食うのは、運転を始めた直後です。
室温と設定温度の差が大きいほど、フルパワーで冷やそうとします。
この「立ち上がり」で、消費電力がドンと跳ね上がるんです。
でも、いったん設定温度まで冷えれば、あとは省エネ運転に自動で切り替わります。
このときの電力は、立ち上がりよりずっと小さい。
だから、短い外出のたびに消したりつけたりすると…
せっかくの省エネ運転を捨てて、電気を食う立ち上がりを何度も繰り返すことになります。
「小まめに消したのに、電気代が下がらない」のは、これが正体なんですね。
ダイキンの実験で見る「分かれ目」
30分ごとの入り切りだと、日中はつけっぱなしの勝ち
ダイキンは2016年8月、大阪のビルで検証しました。
条件のほぼ同じ約14畳の2部屋を使い、どちらも冷房26度・風量自動。
「つけっぱなし」と「30分ごとに入り切り」で、電力を比べたんです。
結果、暑い日中(9〜18時)は、つけっぱなしの勝ち。
外気温が下がる夜(18〜23時)は、小まめに入り切りしたほうが安い、という結果でした。
外出の多い日は、消したほうが1日約35円おトク
同じ検証で、1日に合計4時間ほど外出する生活でも比べています。
この場合は、外出時に消したほうが安い。
1日あたり、つけっぱなしが約154円、消した場合が約119円。
その差、約35円です。
1か月続けば、1,000円前後の差になります。
「長く家を空けるなら消す」が正解、というわけですね。
つけっぱなしが「損」になるケース
「つけっぱなしが安い」は、あくまで条件つきです。
次のときは、消したほうがおトクになります。
- 1時間を超える外出をするとき。とくに夕方以降は、20分くらいの外出でも消したほうが有利になりやすいです
- 朝晩など、外と設定温度の差が小さい時間帯。冷やし直しの負担が軽いので、入り切りのデメリットが小さくなります
- 寝ているあいだなど、そもそも冷房がいらない時間まで惰性で回しているとき。これはタイマーや温度の見直しが先です
「24時間つけっぱなしが一番おトク」と言い切る情報も見かけます。
でもメーカーの実験でも、長い外出では入り切りが勝っています。
うのみにしないほうが、安心です。
運転方法+αの、節電テク
設定温度を1度、見直す
環境省によると、冷房の設定温度を1度上げると、消費電力は約13%減るそうです。
27度から28度にした場合、年間で約940円の節約になる、という試算もあります(資源エネルギー庁)。
ちなみに、よく言われる「夏は28度」は、設定温度ではなく”室温”の目安。
日当たりや部屋の状況に合わせて、ムリのない範囲で調整してください。
風量は「自動」にする
節電のつもりで風量を「弱」に固定すると、じつは逆効果なことも。
部屋が冷えるまで時間がかかって、かえって電力を多く使ってしまいます。
風量「自動」なら、冷えるまでは強めの風で一気に、そのあとは控えめに、と切り替えてくれます。
ダイキンの検証も、風量自動で行われています。
フィルターを、2週間に1度そうじする
フィルターにほこりが詰まると、空気の通りが悪くなります。
同じ涼しさを出すのに、よけいな電力が必要になってしまいます。
環境省は2週間に1度のそうじをすすめていて、これで冷房時の電力が約4%減るとしています。
掃除機でほこりを吸うだけでもOK。
夏の使い始めにまず1回、シーズン中もたまに続けるのがおすすめです。
サーキュレーターや扇風機を、一緒に使う
冷たい空気は、足元にたまりがち。
サーキュレーターで空気をかき混ぜると、温度ムラが減って、効率よく冷えます。
風が体に当たれば体感温度も下がるので、設定温度を上げても涼しく過ごせます。
扇風機やサーキュレーターの電気代は、エアコンよりずっと小さいので、一緒に使っても安心です。
根本から下げるなら、料金プランの見直し
つけっぱなしか小まめに消すかで動くのは、1日数十円の世界です。
一方、電気の”単価”そのものは、契約する会社やプランで差があります。
ここが当たれば、使い方を変えなくても、毎月の請求がスッと下がります。
夏の使用量が増える前のいまこそ、検針票で自分の単価を確認しておくチャンス。
比べ方は電気代節約の記事一覧に、電気以外の固定費は物価高で見直したい暮らしの固定費と備え5選にまとめています。
まとめると、35分以内の短い外出ならつけっぱなし、それより長いなら消す。
あとは設定温度・風量自動・フィルターそうじ・サーキュレーターを組み合わせて、最後に料金プランの見直し。
この順番なら、ガマンに頼らず、夏の電気代をしっかり抑えられます。
