台風や地震で停電したとき、ウォーターサーバーの水は出るのか。実は答えは機種によってはっきり分かれます。電気を使わずに水を出せる機種なら停電中も常温の水が飲めますが、ボタンで給水する機種は電気が戻るまで水が出ません。自宅のサーバーがどちらのタイプか、そしてボトルのストックを備蓄水としてどう活かすか。順番に整理していきます。
結論。停電でも常温の水が出る機種と、出ない機種がある
ウォーターサーバーの給水方式は大きく分けて、つまみをひねる「コック式」、コップで押す「レバー式」、ボタンやタッチパネルで操作する「電動式」の3つがあります。コック式とレバー式は重力で水を落とす仕組みなので、電気がなくても常温の水を出せます。一方、電動式は内部のポンプやモーターで水をくみ上げるため、停電中は給水できません。
ただし冷水・温水の機能はどのタイプでも電気が必要です。停電中に使えるのはあくまで「常温の水」だと覚えておくと、いざというときに慌てずに済みます。
停電時に使える機種・使えない機種の見分け方
方式ごとの違いを表で確認
| 給水方式 | 水の出し方 | 停電時 |
|---|---|---|
| コック式 | つまみをひねる・倒す | 常温の水が出せる |
| レバー式 | コップでレバーを押す | 常温の水が出せる |
| 電動式(ボタン・タッチパネル) | ボタン操作でポンプが作動 | 水が出ない |
見分け方はシンプルで、「電気を使わず物理的な操作だけで水が出るか」がポイントです。実際にメーカー公式の案内でも、たとえばプレミアムウォーターはスリムサーバーIIIなどコック式の機種は停電時も出水できる一方、スリムサーバー4などの電動機種は出水できないと明記しています。同じメーカーでも機種によって分かれるので、契約中の方は公式サイトのよくある質問で自分の機種名を確認しておくのがおすすめです。
電動式でも打つ手はある
電動式だからといって、停電したらストックの水がまったく使えないわけではありません。多くのメーカーが、サーバーを通さずにボトルから直接水を出せる「非常用コック」を用意しています。プレミアムウォーターでは電動機種に非常用コックが付属しており、ボトルに差し込めばそのまま給水できます。コスモウォーターはボトル単体では使えない構造ですが、別売りのポータブルスタンドセットを使えばサーバーなしで給水でき、最新機種のsmartプラスNextには停電時に使える非常用電源ユニットが付属しています。フレシャスのような水パック式も、パックの角をハサミでカットすれば飲料水として使えます。
機種ごとの細かな違いはウォーターサーバーの記事一覧でも取り上げているので、あわせて参考にしてください。
停電時の注意点。温水・衛生面・復電後の扱い
温水は使えない
加熱には電気が必要なので、停電中はどの機種でも温水は出ません。赤ちゃんのミルク作りなど温水が欠かせない家庭では、カセットコンロとやかんをセットで備えておくと安心です。常温の水が確保できていれば、沸かす手段さえあれば対応できます。
常温になった水は早めに使い切る
停電で冷却機能が止まると、タンク内の水は常温になります。温度管理ができない状態が続くと雑菌が繁殖しやすくなるため、うるのん(TOKAIグループ)の公式案内では、停電中にサーバー内へ残った水は1〜2日を目安に飲み切り、飲み切れない分は洗濯などの生活用水に回すことが推奨されています。また、プレミアムウォーターは停電が長引いて高温多湿の状況になった場合は飲用を控えるよう案内しています。「常温になってから時間がたった水は飲用以外に回す」と覚えておきましょう。
停電したらプラグを抜き、復電後は手順どおりに復帰
停電に気づいたら、サーバーの電源プラグをコンセントから抜いておきます。差したままだと、復電した瞬間に大きな電流が流れて故障やショートの原因になることがあるためです。電気が戻ったら、メーカーの案内に沿って復帰させます。プレミアムウォーターは復電から5分以上待ってプラグを差し、温水が適温になるまで40分以上かかるとしています。フレシャスの一部機種では復電時に「安全モード」が作動して出水できなくなることがあり、ボタンの長押しなど機種ごとの解除操作が必要です。復帰手順は機種によって違うので、取扱説明書か公式サイトを一度確認しておくと安心です。
ボトルのストックがそのまま備蓄水になる
ウォーターサーバーの心強いところは、ボトルの買い置きがそのまま飲料水の備蓄になる点です。農林水産省は、飲料用と調理用だけで1人1日3リットルの水が必要になるとして、最低3日分で9リットルの備蓄を呼びかけています。あわせて、備蓄する水としてペットボトルの水と並びウォーターサーバーの水も挙げています。
9リットルという量は、宅配水で一般的な12リットルボトルなら1本でまかなえる計算です。4人家族の3日分なら36リットルで、12リットルボトル3本分。定期配送で常に未開封のボトルが2〜3本ある状態を保てば、意識しなくても「使いながら備える」ローリングストックが回ります。賞味期限が近いものから順に使い、届いた分を奥にしまう。これだけで備蓄水の鮮度管理が日常の中で完結します。
水以外に何をどれだけ備えるかは防災備蓄の記事一覧で詳しくまとめています。
災害対策で選ぶときのチェックポイント
これからウォーターサーバーを選ぶ人や乗り換えを考えている人は、次の点を確認しておくと災害時の安心感が大きく変わります。
- 給水方式がコック式かレバー式か。停電時にそのまま常温水を出せるかの分かれ目です
- 電動式を選ぶなら、非常用コックが付属するか、別売りならいくらかを確認する
- ボトルかパックか。パック式はハサミで開封して使える手軽さがあります
- ボトルの容量と配送サイクル。家族の人数×3日分(1人9リットル)を常にストックできるか
- 未開封時の賞味期限と保管場所。直射日光を避けて置けるスペースがあるか
- 転倒防止の固定ができるか。地震でサーバーが倒れると水も本体も失います
ウォーターサーバーは月々の固定費がかかるサービスだからこそ、「飲み水」と「備蓄」の二役をこなしてもらえると価値がぐっと上がります。毎月の出費と備えのバランスを見直したい方は物価高で見直したい暮らしの固定費と備え5選も参考にしてみてください。停電のたびに慌てなくて済むよう、まずは自宅の機種が停電時にどう動くのか、今日のうちに確認しておきましょう。
